社員インタビュー

求める人材像は『聞ける人』

所属:開発部(一般スポンジグループ)

ー まず始めに、アイオンのことをどのように知ったのか教えて下さい。

大学でゲルの研究をしていたのですが、その中で、PVAを使用した経験がありました。そこでPVAを使用したメーカーに興味を持ち、PVAスポンジを製造しているアイオンを知りました。ゲルとスポンジは軟質性の多孔質体であるという共通点があり、学んできた知識が役に立つのではないかと考えました。
 

ー 「PVA」「多孔質体」という当社の事業の骨格となる部分で共通点があったのですね。事業に関してはどうでしたか?

大学では、薬物を体の目的部位に送達させる(DDS:ドラッグデリバリーシステム)担体としてゲルを勉強していたことがあり、医療分野にも興味がありました。
当時、PVAが細胞培養に適しているという論文が発表され、PVAへの注目が集まっていました。PVAは生体適合性を有することからPVAスポンジは、医療分野で活躍できるのではないかと興味を持ちました。


 

ー 入社して開発部に配属されましたが、どうでしたか?

開発部に関しては少数精鋭型で、若手の内からいろんなことを経験できます。私は、早いうちから工場スケールの試作を任せてもらいました。

試作のことだけでなく、原料のことから反応、加工、包装・梱包などの各製造工程に幅広く携われるので、製品の最初から最後までの全体像を把握することが出来ます。開発部内には穏やかな人が多く、発言しやすいと思います。

 

ー 当社は研究開発部門が工場内ありますが、その点はどうでしたか?

製造現場との距離が近いので、装置のことなどで疑問点があった時、すぐに現場に確認しに行くことができます。その他の部署の方々とも広く関わりを持てます。入社したてで分からないことだらけでしたが、気のいい人が多いので、工場のことをよく教えていただきました。



 

― 現在の仕事内容を教えてください。

私は一般スポンジグループという、ブラシ・砥石・新材料以外の全般的な産業資材向けの製品を扱うグループに属しています。
一般スポンジグループが担当する製品群は、用途によって求められる性能が大きく異なる為、他グループと比較すると扱う品種が多いことが特徴です。

 

― 具体的には?

現在、私は廃番になった原料の切り替えを行っています。原料の切り替えは繊細な業務です。
例えば、以前にある製品を製造スケールで試作したところ、半数以上に不良が生じてしまったことがありました。これに対し、原因と思われる物質を含まない原料に変更したところ、その不良が解消しました。

このように製品の中には、原料の僅かな変化で不良が生じることもあり、原料の成分比や微量成分、他の原料との相性などを把握する必要があります。それと同時に、原料切り替え前後で製品の性能を変わらないようにする必要があり、一筋縄ではいきません。しかし、このような業務を通じて様々な品種に携わることができるため、刺激になります。

 

また、開発部では新たな医療用製品の開発を進めており、自分はその手助けをしています。
私は医療分野でPVAスポンジを、より広く応用可能にする為の処理方法を開発しています。人命に関係する分野ですので厳しい目標を設定し、その目標を達成する為の検討を進めています。

初めは工場の設備を借りて試験したものの、結果が安定しなかった為、ラボスケールにて自作の装置を使用して試験したところ、効果的な処理方法が見つかりました。今後はスケールアップについて検討し、製品化に向けて開発を進めていきたいです。


 

― 今後の目標を教えてください。

各製品についてより多く学んでいきたいと思います。私が所属するグループには様々な製品があり、それぞれに背景があります。
今までに開発されてきた製品が、どんな用途に使われているのか、求められる性能は何か、なぜこの原料を使っているのか等を学んでいきたいです。それらを知ることが新たな製品開発のヒントにつながると考えています。

 

― 最後になりますが、今後入社する後輩社員に求めるものがあれば教えてください。

「聞ける人」です。何かを尋ねるということは、その何かに興味を持っていることのアピールだと思います。
よく質問する人からは多くを学ぼうとする意欲や他者を理解しようとする社交性を感じ、相手に良い印象を与え、人間関係を築く上で有利になると思います。

また、業務内容に関して疑問点があった際に、自分で悩んだり調べたりするよりも有識者に聞いた方が早い事があり、聞くスキルは重要だと思います。ただし、聞くスキルは一人では鍛えられません。学生の場合は、先輩や先生に積極的に質問することが練習になるかもしれません。


担当商品:担体その他(一般スポンジグループ)